2014年5月5日月曜日

高松珠子さん(フリーランス通訳者)のインタビューより

 英語が使える人がアドバンテージを得られる社会が早くなくなるべきだ、という意見には賛成。そのアドバンテージを得るためのコスト(費用、時間、労力)がなぜだか、かかりすぎるのは、なぜだろうか。

 やはり学校教育に問題があるとしか言いようがない。学校現場での英語教育は「やる気にならない、motivateされない(特に内発的に)」のが問題じゃないだろうか。外的動機付けはあるようにも思える、つまり「大学入試の得点源」であるから。大学入試の英語は「正しい努力をすれば、報われる」からだ。だけど、それでは内的動機付けになりにくいのも事実。(仕方なし、というやつです。)

 モチベーションについては、僕の愛読書Drive!邦訳モチベーション3.0(ダニエルピンク著)にも書かれているが(詳細の解説は こちら に詳しいので是非。書籍のエッセンスを上手にまとめられてますから。)内的動機付けが発揮されるのは、

  • Autonomy 自主性
  • Mastery 習熟
  • Purpose 目的

がそろった時である。

 多分、ひとそれぞれ上手くいっていることがら(スポーツや趣味等)を分析すると上記三点が当てはまるからではないかと思う。

 高松さんの勧める学習法(海外ドラマを英語字幕でみる)は第一点は満たすとおもうが、masteryにつながるのかは少々疑問。出てくるフレーズを使う状況がなければ習熟にはつながらない。場面や声のトーンなどの非言語情報が詰め込まれたドラマは良いインプット材料だ。しかし、「それを使ってみる」ことなしには習得されない。つまりMasteryを感じられない。

 そういう意味で英語の授業が「アウトプット」の場になるのは良い事。しかしそうなると「インプットはどこで与えるのか」という議論に打ち当たる。正直、高校生がそういう海外ドラマをじっくりと腰を据えて視聴し気に入ったフレーズを書き溜める時間がどこにあるか〜となると残念ながら「ない。」

となると、やはりインプットも授業(+αで家庭学習、だけど家庭学習は出来る限り定着や自己表現活動の準備に当てたいところ)でやらざるを得ない。そうなると授業街で英語学習に時間を「割いていただく」ための取り組みを英語教員はするべきである。時間は常に取り合いになっているのだ。そういう意味ではPinkのTo Sell Is Humanで書かれている事も的を得ている(これも是非読んでいただきたい書籍だけど、時間がない方はhttp://www.tom2tall.com/Dan-Pink-Ambivert.htmlにある記事、そして是非、youtubeの講演も見ていただきたい。この1時間がGW空けの授業を変えると思うし、もしかすると顧客である生徒とどう接していくか考えるきっかけになるのではないかと思う。)

 そして学校教育でも、自己表現活動までいけばmasteryを実感でき、自分のメッセージを英語で表現すると言うpurposeも生まれる。そういう意味ではやはりまだまだ学校教育がもつ役割は大きいと思う。

さて、ここまで言っておいて高松珠子様のインタビューに戻ろうとおもう。渡部は教員になってからの願いは「英語で苦労しない日本社会がどうなるか、見てみたい」ということ。苦労はしても、それなりにやっていけるように、というレベルであって「みんながみんな同時通訳者になる必要」は全くないと思うので、そこはミスリードしないようにお願いします。ただ、僕が漠然と考えていた事を異業種の方も考えているのだなぁと思うとちょっと心強い気がしたので、今日は取り上げてみました。

(以下記事、ほとんど前半部〜後半部省略w)
-最後に今後自分の英語力をあげたいと考えている読者にメッセージをお願いします 

高松:英語は勉強と思わない方がいいと思います。エリートや帰国子女といった一部のアドバンテージがある人が、特別な言語を使って得をするという社会は出来れば早くなくなってほしいです。インターネットを一部の人たちにしか使わせないというのと同じだと思います。英語ができるようになるというのは、“大きな図書館の鍵”を渡されるようなものです。一人ひとりの人生にいろんな可能性を与えてくれます。 

また言語を学ぶことで、情報だけではなく元気ももらえると思うんです。英語がわかれば、日本の社会だけではなく、海外の起業家がどんな風に活躍しているのか、といった話題も知ることが出来ます。そういう事例をたくさん知るようになれば、中には自分でもできそうなものが見つかるかもしれません。英語がしゃべれるっていうのは、そういうことだと思います。どうも偉そうにすいません(笑)。 

(以下参考書籍)